ユニコーンツアー2009 蘇る勤労。3/14、福井フェニックスプラザに行ってきました。
問答無用な楽しさ。
私の愛したユニコーンが、そこにはいた。
まさに、感無量でありました。
追記隔離。
この「感無量」な感覚は、再結成発表後のメディアを通じてもたびたび感じてはいたものです。しかし、ライブを見た後のそれは、私の中に桁違いな幸福感を残しました。──小生アラサー真っ只中。学生時代は遠い昔。就職もした。結婚もした。いろんな出会いがあり、別れがあり、絶望もし、希望も持ち、この年になった。この15年、目まぐるしい変化があった。──そんな人生の「量」と「時間」を彼らは幸福感いっぱいにひとまたぎにしてくれたのです(それも3時間かけて:笑)。
このユニコーンの再結成を、「ゆるく歓迎」とか「笑って歓迎」とかなんとか私言ってましたよね、こないだの記事で。そして、その感覚は結構信じられるんだって。…確かに信じられる感覚でしたよ。ただ、思ったより右肩上がりな感覚だったことが誤算でした(笑)。このライブに向かって特集番組がたくさん組まれたり、新譜「シャンブル」がリリースされたりと、目まぐるしくイベントが続いたせいもあり、この福井当日を迎える頃には、立派に躁状態に到達しました(笑)。
当日。当初の計画では、開演前に物販でお買い物をし、買ったものを車においてから身軽に席につこうとか考えておりました。なので、かなり余裕を持って会場入りしたつもりが、…すでに物販は長蛇の列。「福井」という響きに油断し、今のユニコーンが持つ磁力を計り間違え、開演前から予想外の事態に。長蛇の列の一部となり物販を待つ間、心の中で福井県民とユニコーン御一行様にひたすら土下座を繰り返しておりました。
開演。土下座にいい加減疲れ(笑)、会場のハッピーな空気とリハの残りのスモークを満喫し始める頃、開演時間を迎えました。「今にも開演するぞ」的場内アナウンスに会場全体がフライングをする一面もありつつ、実際は、幕を落とさないまま、メンバーのシルエットだけの「ひまわり」から始まりました。
幕が落ち、メンバーの姿が照明にさらされた瞬間、私の視界にこの日始めてEBIさんが映ったその瞬間。目の奥が餌付き、得体の知れないものが噴出してくるような不思議な感覚に襲われました。これ、涙ではないのです。──目に映る景色が脳に行き、脳がそれを判断して身体に伝えていく──その当たり前の行程がまったく機能せず、目から脳に行く前に映像の伝達が止まってしまったみたいな感じです。せき止められた映像に何かが決壊して、脳にそれらが流れ込んだ瞬間、
「ユニコーン!!!!!! EBI!!!!!!!」
と脳が叫びました。──目が独走し、脳が叫ぶ──。私の中でユニコーンが、EBIさんが、果たしてどれだけの存在だったのか、この現象で私はよくよく理解にいたりました。
そこからは、もう、めくるめく、「宴も高輪プリンスホテル」(←私が言ったんじゃありません。阿部BのMC)です。
例えば、
カウベルひとつ叩くにも、阿部Bと民生でふざけた芝居をしないと始まらない。
テッシーが食いしん坊状態の映像ばかりどアップで映す。
西川くんのしゃべりが微妙な状態を放置する。(本人も放置されたことに気付いていない)
EBIさんがディナーショーみたいに客と握手しながら歌ってる。
阿部Bが、特定の客の胸の大きさについてくどいくらいに感心する。
自分たちのみならず、会場の年齢まで「残念」扱い。
…なんて、もう、端から端まで、どこを切ってもユニコーン。
かと思えば、
西川くんのドラムが「相変わらず」というより「パワーアップ」している。最年長なのに、一番しっかりやりきった(と私は思う)。
テッシーのギターテクが、生で見ると神業に近い。
EBIさんのハイトーンボイスが、最後まで一切かすれない。
「R&R IS NO DEAD」のグルーブ感はかなり充実。
…なんてあたりでは、このバンドの個人個人のテクニックもしっかり味わえた上に、バンドとしてまとまったときの、1×5=∞な部分も十分感じられたり。
もう、それは、ですから、「宴も高輪プリンスホテル」ですよ(←私が言ったんじ(略))。
全体としては、曲と曲の間のMCがぐだぐだと長かったですが、もうそれは当然です。四十路五十路のおっさんらですから、激しい曲をぽんぽん繰り出すのは無理(笑)。繰り出されるMCは全体としてくだらないものが多いのですが(ほめてます:笑)、ちょっといいMCもあったりしたんですよ(笑)。
「大迷惑」の導入MCで民生が言った
──私たちや皆さんらくらいの歳になるとね、「使命」ってもんがあるんですよ。
というくだりがそれです。
この辺を、さらっと、へらへらっと言うのが、実にユニコーンらしく、民生らしい。
この「使命」っていうのは、ユニコーンの持ち歌の中でも消費エネルギーではトップを争う「大迷惑」におけるテッシーのギタープレイをさしているものなんですが、なんかとても含みがありました。人間は生まれたときから「自由」や「希望」を持ち合わせていますが、歳を重ねるにつれて、それらを取捨選択していく。果たすべき目標だけじゃなく、守るべきものも生まれる。「目標」は「使命」になる。「使命」には、重さが、ある。
3時間は、ライブとしては長いほうだと思います。でも、ジャストな満足感でした。「それでも短く感じた」ということもないし、「長くてしんどくて」なんてもちろんない。休憩、もといMC満載、緩急自在の3時間。こちとら曲の頭からケツまで、MC一言一句、寸劇(笑)一挙手一投足、舐めるように堪能させていただきました。基本視線はEBIさん方向でその国宝級の姿と声に基本感動しっ放し。…だって、15年ぶりですよ?! ここは福井ですよ(関係ない)? 何を躊躇する必要があります? 私は、私が動きたいように、私が観たいように、公の秩序を乱さないラインを死守しながら、3時間突っ走りました。
セトリは各所で上がっているのでここでは省きます。MCも、たくさんあり過ぎるので書ききれません。
でも、この日感じた感動と興奮だけは、記録しておこうと思うのです。
3月にして、間違いなく今年のベストライブ決定です。