先日 PATCH の夢を見たのです。どんな夢かといいますと。 PATCH がクリームいっぱいのクリームパンをおいしそうに頬張っているのですが、あまりにクリームが多すぎてクリームがもろもろとこぼれてしまうのです。クリームをこぼすまいと慌てつつも食べるのをやめないかわいい PATCH 。しかもその光景は私の家の最寄の駅前の路上で繰り広げられている…という夢でした。夢なんて所詮はありえない情景ばかりさ。
さて。私が Radio Caroline にはまったタイミングと入れ違いに市場と物販から消えていった DVD、『RAW LIVE』。その後広範なタワレコに照会願ったものの、ついに我が手におさまることは叶わず。もう見られなくなっちまったなぁ、と臍をかんでおりました。
しかし、捨てる神あれば拾う神ありとはまさにこのこと、菩薩様のような方がいたのです。
REAL or FAKE のくみこさんから、「貸してあげましょう」というありがたいお申し出をいただきました。その嗜好に共通項が多すぎることから、日ごろから大変お世話になっています。この方なしでは私のネット生活は干物同然。この場でもお礼を申し上げます。ありがとうございます、くみこさん。
米搗きバッタ状態で追記隔離。
『RAW LIVE』…ALL OUT TOUR から、2005.11.26の恵比寿 LIQUIDROOM のライブを収録したもの。74分程。完全限定生産でタワレコとオフィシャルでのみ販売。
キャロに限らず、好きなバンドのライブDVDとは、家宝のような存在であります。ライブの映像が、自宅で見られるなんて、贅沢。実際のライブではどこにいたって見えないもの──最前列にいたって見えない真也さんのアップ。最前列にいてははみ出し、後ろに下がれば見えなくなるウエノコウジの全体像──がこの DVD では見えてしまうのですよ。それもくっきりはっきり。もちろんライブ会場の臨場感までは再現できないけれど、それでも、自宅でこれだけ楽しめたら、十分です。
個人的に特筆すべきは序盤の「MACK ANNA」、中盤の「GET STAR ROMANTIC」、本編最後の「DIRTY HEAVEN」でした。その辺声高になりながら、感想を。
私がライブでことごとく聴けずにいる「MACK ANNA」。演奏前に PATCH が MC を入れていて、
「『MACK ANNA』って知ってる?」から始まるんですが、「知ってるもなにも、あんた…」と半分以上声に出して突っ込みを入れるのを私は忘れませんでした。画面の PATCH に向かって、私がこの曲をいかに生で聴きたいかを談判しそうになりながらイントロスタート。イントロで振り子のようにステップを刻む
ウエノコウジの足が長すぎで最高です。この先3ヶ月はウエノの足以外が見えなくなってもいいくらい最高です。おまけに途中から真也さんが「オーライエビバデ…」を連呼するため、笑いが止まりません。真也さんが裏打ちぎみでたたくハットの開き具合が最高で、ウエノコウジの足の間から真也さんをチラ見しています。──この曲を生より先にDVD で見ることになり、再生する前は複雑な気持ちで曲目を眺めていたわけですが、そんなことはまったくどうでもいいことでした。いいんだよ、楽しけりゃ。ライブで見るのと DVD で見るのはまったく違うことさ。…しかし、ライブで、生でこれに遭遇したときの自分の挙動が心配になるという立派な副産物が残った…(笑)。
「GET STAR ROMANTIC」のイントロの真也さんはすごい。音の礫です。目にモノ見せられます。この曲、サビ前の「〜みないか今夜俺と」の部分が私とても好きなんです。サビで爆発する前に、目一杯弓を引いてぎりぎりいわせながら我慢して歌うような PATCH の声が好きなんです。その感覚は、ライブだとかなり鮮明でした。
ベースで始まる曲はかっこいいって決まってるということを絶えず言いまわっている私ですが、この DVD でもそれは実証されていました。「IN AND OUT」の激しい幕開けや、「DANCE」のしれっとしながらいかつく鳴らすいつものスタイルは、この先半年はウエノコウジだけいれば満足できるようなクオリティ。…「DANCE」といえば、サングラスで寡黙にたたく真也さんが印象的でもありました。
真也さんといえば、個人的にツボだったのは、「BOOGIE SO MAD」のときに見せた、顔の左半分。
美しい。真也さんがアップになるのは歌っているときが多いのですが、歌っているときってマイクに向きますから顔の右半分が主に見えますよね。でも、この曲のときに、妙に左側がよく見えた気がしたんです。そして、ミドルなテンポを刻んでいるときだったので、お顔がきれいに見えるんですよこれ。激しくたたいているときの逝っちゃってる顔もかなりぐっときますが、この「静」な感じのお顔は、ほんとに美しい。
ライブに行くといつも感じる、 PATCH のステージングの求心力。これは DVD でやや引き気味に見ると、余計によくわかります。 PATCH のすごいところは、その場にいることがスペシャルである、という感覚をいつのライブでも植えつけてくれるところ。ライブは数多あれど、「きょうは特別」「きょうはすごい」、そういう気持ちにさせてくれるところです。ほんとうを言えば調子の上がらん日だってあるでしょうし、そないに毎回毎回会心のライブということもありえない。でも、「きょうの俺たちすごいぜ」って真顔で言ってくれる。こっちも、そう思い込める。
これは、魔法ですよね。凄腕のホストやホステスっていうのは、たくさんのお客がついていながらも、目の前のお客に対しては「お前が(あなたが)一番だ」という感覚を常にもたせるものだと言います。… PATCH ってそんな感じじゃないですか? (…これ、DVD の感想書いてるんだったな、そういや)
本編締めくくりの「DIRTY HEAVEN」。この曲、PATCH の歌が低音を支えて、その上で真也さんのドラムが華やかに舞って、ウエノコウジは弾きながら正真正銘踊る、つまり、私の目線では完全にウエノコウジメインな曲に仕上がっているんです。この先1年はこのウエノがいればほかはいらんような仕上がり。また、本編のラストでもあるので、その迫力たるや、鬼気迫るものがありました。とにかく演奏のテンションが高い。音にこめるテンションがまんま動作にあらわれていて、目が離せない。照明でストロボたいてるわけでも、切り替えが激しいわけでもないんですが、目が回りそうになりながら、きりきりと高まっていく、そんな感じでした。…DVD で見てこれですから、ライブで見たらそりゃ酸欠にもなりますわねぇ。
この DVD、アンコールも収まってるんです(「DISCO MEXICO」)。サービスいいですよね。でも、ウエノコウジのタオルは、別にサービスいいとは思いませんよ(笑)。このウエノコウジは「DISCO MEXICO」だけでいいですわ…。この先3ヶ月も半年も1年も見せられたら、変に癖になりそうなので(怪しい)、よしてほしいショット(笑)。直近のツアーでタオルウエノを連発で見せられたために若干タオルアレルギー、もとい、タオルウエノアレルギーになっている私であります。…きっとそんなウエノも好きになっていくんだ、わかってる、わかってるんだよ。わかってるんだけど…。
この DVD、限定生産なのがほんま惜しいです。通常生産、販売してくれたらきっと細く長く売れてますよ。今のところ彼らの映像ってこれっきりですから、余計にそうだと思いますが。まぁ、手に入らなかったにせよ、拝借して見られた私は、幸運です。
お返しする前に、もう一度見なけりゃ(笑)。